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自分用:終盤の受けのざっくりとした考え

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僕は終盤がめっぽう弱い。信じられないくらい弱い。そこで自分なりに考えてみることにした。あくまで自分用である。参考にするかは、読んだ人に一任するが、きちんとした高段の人に教えてもらったほうがいいと思う。偉そうに誰かに講義するような書き方にするがあくまで自分用である。

 

将棋では相手を先に詰ました方が勝ちになる。そして次に詰みになる状態を詰めろという。しかし詰めろという言葉、終盤の速度計算ではあまり使い勝手がよくないと思い始めた。

詰めろは1手スキという言葉で置き換えることができる。0手スキなら詰んでいる状態、2手スキでは次に詰めろが来る状態だ。3手スキ、4手スキと数字を増やしてつかえるので、以降は○手スキという言葉を使うことにする。

 

☆☆手番と○手すき

簡単に○手スキについてを考えてみた。詳しくは凌ぎの手筋200を参照されたい。

1.自分の手番、相手が1手スキ

 →詰まして勝ち

2.自分の手番、相手は1手スキではないが自分は1手スキ

 →1手スキを解消する。(受ける)

3.自分の手番、相手は2手スキ、自分も2手スキ

 →相手に1手スキをかける。(自分は2手スキ。)

 

簡単に考えるとこういうことだろう。当然局面によって攻防手が飛んで来たり、有効な1手スキでなく、一回受けられて後が続かないということもあるからもう少し細かく考える必要があるが。当面はざっくりこれを頭に入れて話を進める。

 

 ☆☆役に立たない終盤の受け

僕はさっき、受けるとかいた。しかし受けるといっても、どう受けを考えたらいいだろう?

まず考えられるのは、単純に1手スキaを2手スキにする受けaだ。自玉を2手スキにして相手の手番にするような行為である。

このような受けaに対して、次の相手の手番でまた自玉に1手スキbが来たとしよう。すると先ほどの受けaはあまり受けとしての成果を上げていないことになる。受けbを考えねばならないからだ。受けbに対してまた1手スキc、受けcに1手スキd・・・ときりがない。(このような感じでもう1手スキの解消が望めない状態を1手1手というらしい)

<自分の手番、相手2手スキ、自分1手スキ→自分は受けの手aを指した>

<相手の手番、相手2手スキ、自分2手スキ→相手は攻めの手bを指した>

<自分の手番、相手2手スキ、自分1手スキ→自分は受けの手bを指した>

<相手の手番、相手2手スキ、自分2手スキ→相手は攻めの手cを指した>

<自分の手番、相手2手スキ、自分1手スキ→自分は受けの手cを指した>

<相手の手番、相手2手スキ、自分2手スキ→相手は攻めの手dを指した>

・・・

・・・

省略するが、いつまでたっても1手スキでしか自分に手番が回ってこないことを確認してほしい。

 

☆☆意味のある受けってなんじゃろ

さきほどは受けても1手スキを2手スキにしかできないなら受ける意味がないことを確認した。では意味のある受けとはなんであろうか?

もし<自分の手番、相手2手スキ、自玉1手スキ>の状態でさした受けの手が、自玉を3手スキにすることに成功したとしよう。(1手スキを2手スキにした場合は上を確認してほしい。)

<相手の手番、相手2手スキ、自分3手スキ>

ここでお互いに攻めだけを指し続けたとして、確認してみよう。

 

<相手の手番、相手2手スキ、自分3手スキ→相手は攻めの手をさした>

<自分の手番、相手2手スキ、自分2手スキ→自分は攻めの手をさした>

<相手の手番、相手1手スキ、自分2手スキ→相手は攻めの手をさした>

<自分の手番、相手1手スキ 自分1手スキ→詰まして勝ち>

 

さきほどは1手スキを単に2手スキにする場合だけを考えた。その場合は相手の攻めがよどみないなら、1手スキがほどけなかった。

今回は1手スキを3手スキにする受けを考えた。すると攻めの速度が逆転することを確認できた。もし相手と自分が大差で、相手10手スキ、自分1手スキであったとしても、意味のある受けを連発できれば、逆転できるということだ。

 

☆☆まだ詰まないけど受けるとき

では、<自分の手番、相手4手スキ、自分3手スキ>という状況を考えてみよう。単純な攻め合いでは、

<自分の手番、相手4手スキ、自分3手スキ、→自分は攻めの手を指した>

<相手の手番、相手3手スキ、自分3手スキ、→相手は攻めの手を指した>

<自分の手番、相手3手スキ、自分2手スキ、→自分は攻めの手を指した>

<相手の手番、相手2手スキ、自分2手スキ、→相手は攻めの手を指した>

<自分の手番、相手2手スキ、自分1手スキ、→自分は攻めの手を指した>

<相手の手番、相手1手スキ、自分1手スキ、→相手の勝ち>

ということはどこかの段階で意味のある受けの手を指さねばならない。

さらにここから次のことがわかる。

 

「相手の○手スキ=自分○手スキならば、手番を握っている側が勝つ」

ということだ。またいいかえれば、

「手番を握っているならば、相手の○手スキ=自分の○手スキの局面状態で勝ち」

ということでもある。

 

さらに、単純に下手な受けだけを指したのでは、

<自分の手番、相手4手スキ、自分3手スキ→自分は受けの手を指した>

<相手の手番、相手4手スキ、自分4手スキ→相手は攻めの手をさした>

<自分の手番、相手4手スキ、自分3手スキ→自分は受けの手を指した>

<相手の手番、相手4手スキ、自分4手スキ→相手は攻めの手を指した>

・・・

省略するが、相手のほうが速いのがどうにもならない。

しかし○手スキを+2して相手に手番を渡すことができれば、状況は一変する。

 <自分の手番、相手4手スキ、自分3手スキ→自分は受けの手を指した(+2の手)>

<相手の手番、相手4手スキ、自分5手スキ→相手は攻めの手を指した>

<自分の手番、相手4手スキ、自分4手スキ>

省略するがこのままいけばこちらの勝ち。

 

ということは、詰めろ状態であるかどうかにかかわらず、自分と相手の攻めは○手スキで考えるとどっちが速いかを常に意識することが大事であることがわかる。そして○手スキの考え方は便利だ。

たとえば、相手のほうが攻めが速いのに単純な攻め合いをしては負けてしまうということだ。だから、4手スキとか5手スキの段階でも手を稼ぐことを考えて指すことはできる。もっといえば、もっともっと前から考えることもできるということだろう。

 

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まとめ

受けだけの手で意味があるのは、自分の○手スキを+2以上にして相手に手番を渡せる指し方である。

「相手の○手スキ=自分○手スキならば、手番を握っている側が勝つ」

「手番を握っているならば、相手の○手スキ=自分の○手スキで勝ち」

 

※当然だが、○手スキを+1しかできない手すべてを否定するわけではない。+2の手を指せるまで耐え忍ぶことも当然大事だ。

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☆☆受けと攻守交代

ここまで考えて気づいたことがある。いつまでもずっと受け続けるのは意味があるのかということだ。

もし受けの好手を指すことができて次の状態になっていたとしよう。

<相手の手番、相手4手スキ、自分5手スキ>

 この状況で相手が攻めたとする。

<相手の手番、相手4手スキ、自分5手スキ→相手は攻めの手を指した>

<自分の手番、相手4手スキ、自分4手スキ>

ちょっと前に確認したように、相手=自分の○手スキならば、手番を握っている側が攻め合いでかつ。つまりこの段階で自分の勝ちだ。

ここでさらに受ける必要はさらさらない。なぜなら攻めれば1手差でかつからだ。

当然ここで守り続けて安全勝ちというのも一つの作戦である。しかし単なる理屈の上では単純な攻め合いで勝つのである。

 

プロの将棋で今まで散々受けまくっていた側が突然反撃に転じて勝利することがある。守り駒でガチガチっていうわけでもないのに、なんでこんな危ないことするんだろう、と昔はよく思ったものだ。しかしこう考えてみるとはっきりする。単純に攻めたら勝つから守る意味がないということだったのだ。

 

とりあえずここまでにする。

今回は意味のある受けってなんだということをざっくり考えた。

いつか具体的な事例で考えてみたい。手筋辞典のようなものを作成したい。

また同じような考え方で攻防手もとりあげてみたい。

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