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絵と将棋と小説と

なにもなせないゆとりーまんのインドア生活記

雑記

夏休みを使って読んだ「恐怖の哲学」とかいう本がものすごく面白かったので読書感想文みたいなものを書いておこうと思った。
中学生のときにあかずきんちゃんで読書感想文を書いたとき以来だ。13年ぶりかな??最近書いたっけ??


なんだかすごく楽しかった。どうしても何か感想を記したくなったので記す。

稚拙すぎてどうしようもない文章しか書けないのが悔しいところだ。

 

 

ホラー映画を足掛かりにして、「恐怖」ということについて哲学していく本だ。


哲学ってこういう風にしながら考えていくんだなーというのがわかった。

僕は哲学っていうのは、わけのわからん造語でわけわからん文章でわけのわからん考えにいきつくものだと思っていた。
ぜんぜんちがうのだ。僕と同じようなイメージを哲学に持っているひとは、ちょっと読んでみてほしい。
思っていたより、だいぶ違うなっておもうはずだ。(戸田山さんの文体のせいもあるが)


夏休みに、一緒に伊勢田さんの「動物からの倫理学入門」を読んでいたので、違いが際立つ。
伊勢田さんの本は、色々な倫理学の主張にはどんなもので、その考え方で動物の権利について考えると、これこれこういう長所短所がありますよ~という本だった。
倫理学について、いろいろな考え方を広く浅く紹介する本。そしてまじめな文章だ。
これはこれで面白かったけど。


対して、恐怖の哲学は、哲学ってこういう風にすすめていくんだぞ!って感じの本だ。実践してみますね~って感じ。まぁこんなことは書いてないが。
そして文章が軽い。かたッ苦しい文章ではない。軽いノリだ。なんだこれ。
方法論、やり方の本、実際にやって見せる本。そんな感じかな??


とにかくまず哲学するための問いを立てて、その問いを答えが出せるように小さくする。
問いに答えるために何が必要かを考えたうえで、色々答えを探っていく。
まず過去の哲学者の考え方を紹介して、ダメなところを指摘して、修正案を示していくってやりかただ。
哲学理論だけではなく、科学的な証拠とも照らして検討していく
そして、より良いモデル、考え方を作っていく。
お、おもしろい・・・

 

まず本書は、恐怖っていうけど、そもそもなんじゃろな?というところから始まる。
一番初めに、「アラコワイキャー体験」(P22,23)という、何かに気づいて(あら?)恐怖を感じて(コワイ!)逃げていく!(キャァァァ!)を恐怖の原型としてスタートし、恐怖を定義していく。
そしてアラコワイキャー体験を、さらに分解して、「恐怖」という行動に不可欠の要素を抽出する。
対象の認知ってなに?怖いってどういうこと?とか。何を感じてるの?とか。どれが恐怖というもののなかで一番大事なのだ?とか。


恐怖とやらを定義した後は、ホラーというジャンルの娯楽について3つの問いを立てて、哲学する。
・なぜ存在しないものを怖がることができるの?
・なぜホラーを楽しむことができるの?
・多彩なものを怖がることができるの?

これらに、過去の哲学理論を持ち出したり、心理学や脳神経学の研究も用いながら、考えていく。


そして最後に、恐怖の「感じ」って何かを考えていく。
ここから、「心の哲学」に入っていくように感じる。
哲学的ゾンビという、ホラーでゾンビなものをやっつけるのだ。

心の様々な性質は物質だけで説明できるよーみたいな立場に立つ人は、このゾンビに襲われるらしい。

哲学的ゾンビは、意識体験がない人間という思考実験だ。

ふるまいは僕らと同じなのに、心がない。痛いとか怖いとか感じてない。痛がるし怖がるけども。でも痛くない。こういうのをいうらしい。


そして、これまでに哲学して手に入れた様々な理論やモデルを手に、ゾンビを倒すのが最後の締めだ。

そのために怖いって感じを定義したり、なんで恐怖感じたり、何のために恐怖かんじたりするのか議論してきたのだ。

 

まぁ残念ながら、完全にゾンビを倒せるわけではないようだが・・・さすがゾンビ

 

 

 

 

この本はとにかく理屈でできている。哲学書なので当たりまえだが。
その割に文章が軽い。読みやすい。
哲学の理論とか発想を、ホラー映画とかでたとえ話にしたりして進めていくので、僕みたいな初心者でもスラスラ読めるはずだ。

自分の頭で考える、意見をぶつけたり検討したりする。
こういうときの参考にできる気がした。それも実践的に。
問いを立てて、問いを分割して、仮説やモデルを立案して、検証して、修正する。
なぜ良いのか、なぜダメなのか、明確に理屈で示していく。

 

そして全体としても組み立てがわかりやすい。

恐怖ってこうなんだよ。我々の心はこういうふうなんだよ。ゾンビ氏ね!
ざっくりこんな感じ?前の章でこうだったね。だからこうだね。って進んでいく。


ぼくもぶんしょうをかくときこういうふうになりたいなとおもいました

 

 

 

恐怖の哲学―ホラーで人間を読む (NHK出版新書 478)